このチャラ男一途につき…



そうか、

しまった。

実にしてやられているのだ。

今自分は……意図とせず吐季の中に踏み込まされていて、そして……。

「っ…く____」

っ……踏み込まれた。

全てがほぼ同時。

自分の理解が追い付いたのも。

吐季が余裕のない声を漏らして自分の肩に頭を埋めてきたのも。

全部一瞬で、全部が衝撃的。

あまりに目まぐるしい一瞬に逆に理解した全てが飛んで真っ白で。

ただ、自分の胸元に崩れ落ちる様に息を切らす姿に腕を回そうかどうかと迷い、当てもなく視線を泳がせた際に再び捉えた写真の数々。

あ……

ああ……

ああああああ…

っ…………マズイ。

これは……マズイ。

飛ぶのも一瞬であるならそれが全て回帰するのも一瞬の事であったと思う。

回帰してしまえば……平常心の崩壊だ。

死ぬほどに………熱い。

心臓が痛い。

自分でも、これほどまでに心臓がフル可動したのはいつぶりの事なんだろう?と驚いてしまう。

でも、今はいつぶりだとかそんな事情はどうでもいいのだ。

問題はどうやってこの爆発した動揺を鎮めるべきかで、どうやったら……。

どうやったら……この顔の赤みは引くんだろうか?



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