羊だって、変るんです。
「小鳥遊と取締役はどうなんだ」

まさに今考えている事を聞かれて心臓が跳ねる。

「!・・・同じ・・・何ですかね?」

「俺に聞くな」

疑問系の答えに噴出す山葉を見て、杏奈もつられて笑った。

「お互い、素のままで居られる事が奇跡のようなものなので、それ以外は全く問題ないですね」

「それが一番大事だからな」

食事が終わるまで、価値観の話しで盛り上がった。

「そろそろ、お開きにするか」

時刻はいつの間にか9時半を回っていて、思いの他話し込んだようだ。

山葉がテーブルにある呼び出しボタンを押すので、杏奈が慌てて財布を用意しようとしたのだが、止められてしまう。
< 127 / 172 >

この作品をシェア

pagetop