羊だって、変るんです。
「信じられません」
あのやり取りの後、直ぐに大通りまで引きずられてそのままてタクシーに押し込まれ、お洒落な雰囲気のあるバーに連れてこられた。
店内は薄暗く、クラッシックが流れていて、客同士の顔も会話も朧気だ。
半ば拉致されるようにタクシーに押し込まれ、更に何も会話の無いままここに連れてこられて、戸惑いの表情を見せる杏奈を面白そうに見つめている。
「兄として、未来の妹の相談を聞いておこうかと思ってな」
「妹?!」
驚きの言葉に思わずカウンターの椅子から立ち上がっていた。
思った以上に大きな声が出てしまい、他の客がこちらを見る。
いたたまれず、俯きながら椅子に腰掛け直す杏奈の手元に飲物が届いた。