羊だって、変るんです。
「れで・・きら?」

呂律の回らない口で、鸚鵡返しのように不思議そうに言葉を返す杏奈は、ユラユラと揺れて、今にも椅子から落ちそうだった。

「どうしてこんな事になってるんですか?」

杏奈の傍に行き、フラフラしている杏奈の体を自分の胸にもたれさせながら、キツメの口調で問質す。

「あぁ今日ばったり出会ったら、相談したい事があるって言うから聞いていただけだ」

悪びれた様子も無く、自分の水割りを飲みながらそう話す。

「ちがい まふ。相談 は やまは さんに したんれす」

聞いているのか、聞いていないのか分からないような杏奈が急に言い換えした事に、二人が珍しいものでも見る目を向ける。

「俺も聞いたんだから同じだろ」

「言いましらっけ?」
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