羊だって、変るんです。
小首を傾げながら、慧を見上げる杏奈の行動は容姿と合わさると小悪魔的魅力が満載で、凱はこれ以上この顔を誰かに見せられなくなり胸に顔を押し付ける。

「もういいです。杏奈帰りましょう」

これ以上話しても、慧からも杏奈からも自分の聞きたい話が聞けないと判断した凱は、杏奈に椅子から降りるように促す。

ヨロヨロと凱にもたれ掛かりながら椅子から降りる杏奈は、自力では立っていられないようだった。

「あぁそうだ、二人に頼みがあったんだ」

「頼み・・?」

「そう、二人とも上着を脱いでくれ」

「上ぎ・・ぬぐんれすか?いいれすよ・・・丁どあつかっらし」

凱の胸を押しのけるようにして、離れたかと思うと、さっさと上着を脱いでしまった。
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