羊だって、変るんです。
全く味がしないオムライスを、機械的に咀嚼して飲み込むと、次のスプーンが待っている。

『これを最後まで繰り返すの?!』

口元にスプーンが来る度にチラリと凱を伺い、脅迫めいた笑顔に耐えられず口をあける・・・
と言う作業を皿の中のオムライスが半分無くなるまで行われた。

半分を過ぎた頃から、少し味が分かるようになって、今の状況に慣れてきた事に気付く。

段々調子が出てきて、パクパクと食べて遂に完食。

「ごちそうさま!うん、何か慣れたみたい。今度は凱の番ね!」

そう言って、右手が使えるよう体制を変えて、新しいオムライスの皿を取り、スプーンで掬って口元に持っていく。
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