羊だって、変るんです。
「二人とも僕を無視して話をしないで下さい!」
二人の会話について行けない凱が慌てたようにそう言うが、二人ともお互いの顔を見て笑うだけだった。
「いつの間に兄さんと仲良くなったの?」
助手席に収まった凱がチラリと運転席を見る。
「あ~。お見合いをぶち壊すきっかけを作ったのがお兄さんだって言ったよね」
「うん。電話が来たって」
「アレ位しか会話は無いけど、多分お見合い相手の人から私の事聞いてるだろうから、素で行こうかなと思って」
「あ~麻生さんか・・・。確かに仕組まれてたからね。」
そのときの事を思い出し苦笑する凱は、欠伸(あくび)をかみ殺していた。