羊だって、変るんです。

自分を押し殺してまで付き合う事は出来ないし、かといってありのままの自分を受け入れてくれる人は、砂漠の中で一粒のダイヤを探すような途方も無い事のように思えていた。

それが今現実に自分を受け入れてくれて、更に尊重してくれる相手と一緒に居るのだ。

『奇跡みたいだな』

大げさだと言われるかもしれないが、今の自分には本当に奇跡のようだと思えた。

助手席で気持ち良さそうに眠っている凱をチラリと見て、幸せな気分を味わいながら実家に向った。
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