羊だって、変るんです。
賑やかに宴会が進むが、飲むペースも、飲む量も桁違いな小鳥遊家の男たちに混じると、凱もドンドン飲まされた。

「ちょっと!飲ませ過ぎ!自分たちを基準にしないでよね!」

杏奈が止めに入った時、凱の頬はほんのりと朱がさしていた。

『凱と一緒に飲む事って無いけど、どれだけ飲めるんだろう』

「大丈夫、大丈夫。潰れたら父さんが部屋まで運んでくれるって!」

何が大丈夫なのか根拠の無い大丈夫を繰り返す怜苑は、四人の中で一番弱い。

もしかするともう酔いが回っているのかもしれない。

隣の紫苑はウィスキーから焼酎に変えて重蔵と飲んでいた。

「大丈夫?凱?無理しなくていいんだよ」

自分は今日はウーロン茶を飲んでいるので、周りの状況が良く分かる。

蔵人も凱を気にしているようだ。

「うん。ちょっと酔ったかも」

「お水持って来るね」
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