羊だって、変るんです。
「本気の・・・。じゃぁそんな気持ちを台無しにした私に、出来る事って有るかな?」

「あると思うよ。妹さんが居ない所では、いちゃついてみれば?」

「い!?・・いちゃつく?!」

驚きのあまり、声が大きくなったので、慌てて声を顰めるが、何か言おうと口を開きかけては悩んでを繰り返し、鯉のようにパクパクと口が開閉するだけだ。

「待って、恋愛初心者にはいちゃつき方が分からないんだけど」

ようやく口にした言葉は情けないものだった。

「私も恋愛は殆ど経験無いけど、本やネットに一杯載ってるよ」

「ほ・・ん」

「私の持ってる本は貸せないよ。腐女子の持ってる本は結構凄い内容だから」

『腐女子の持っている本ってどんな本だろう?気になるけど怖いな』

「いちゃつく・・・か。」

あっという間にお昼休みが済んで、午後の仕事をこなしているうちに、美優との事はすっかり頭から消えていた。
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