俺にもっと溺れろよ。

もしかして、気持ち悪いとか思われたとか......。


ウザイとか思われちゃった......？


朔先輩は、そういうのにも慣れてて、余裕があるかもしれないけど......。


......わたしは、初めての恋だから余裕がないよ。



「......あ〜かわい〜」



「......へっ」



想像もしていなかった言葉に拍子抜け。


今、可愛いって言った......？

昼にも聞いた気がするけど......またわたしの空耳？



「......桃花、可愛いね」



「えっ......」



やっぱり、今しっかり＂可愛い＂って言ったような。

昼に聞いたのも、もしかしたら幻じゃなかったってことかな。


朔先輩からそんな言葉を言われると思ってなくて、顔が赤くなる。

自分でそう分かってしまうぐらい顔が熱を帯びている。



「......照れてんの？可愛いね......」



「......」



ま、また可愛いって。

朔先輩のこんな一面知らない。

昼よりも糖度が上がっている気がする......。


これは、みんなが知らないわたしだけが知ってる朔先輩かな......？