俺にもっと溺れろよ。




なんて、思ったから「いいよ」って言った。




「......べつに」





これも、絶対教えてあげないけどな。




「......」





横で少し困っている様子の南。



絶対、このままだったら教えて貰えるまで粘ってきそうだな。




「はやく、食べよ」




俺は、そうなったらめんどくさいことになりそうだから、南より先に口を開く。



ちょっとガッカリ気味だな。



てかなんか、今日全然話してこねぇな。


いつもは、もっと自分から話してくんのに。



そう思いながら、南の弁当に目を向ける。



白ご飯の上に梅干し。


野菜炒めや、ハンバーグに卵焼きにフルーツなどほか色々入ってる彩りとバランスがいい弁当。




......美味しそう。



弁当を見てそう思った。



俺はいつもパンだし、弁当なんてほんとたまにしか食べない。




「弁当、自分で作ってんの?」




美味しそうな弁当を見て、思わず質問する。



俺の急な質問にびっくりしたのか、南は、肩をビクッとさせる。



......ビビりすぎ。




「はい、そうですよ!」




え、まじで自分で作ってんだ。


自分で聞いといてなんだが、南の親が作ってんのかと思ってたわ。



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