美男子ガイド。



「あー中学んときが懐かしーな」


ふと一言、高島君が言った。




「なんかあったの?」

あたしは聞いてみた。




「ん?ああ。実は俺の親がちょっとやばいの。あ、ちょっとどころじゃないな。俺が3年のときケーサツに捕まった」

こんな話も、高島君は何事もないかのように言う。



「え………」



「詳しいことはケーサツも親も何にも教えてくれなくてさ。まだ中学生だったからだとは思うけど。ただ詐欺をしたらしい。今は1人でバイトしながら生活してる」


高島君は少し寂しそうな顔をしていた。




「…そうなんだ。なんか聞いちゃってごめん」



「別に。まあ過ぎたことだし?でも、沙也とは別れさせられた」





体育館の中は静かで冷たく、彼の話も進んで行った。













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