大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
私は大王の腕の中で星空を楽しんだ。

「大王。」

「ん?」

「私は大王に見初めていただけて、
幸せです。」

大王は無言で私を抱く手に力を込めた。

「私はこの先、例え、あの織姫と彦星のように
離れ離れになっても、大王だけを想い続ける
でしょう。」

私が言うと、

「アヤ!
俺は絶対にアヤを手放さない。
だから、俺たちが離れ離れになる事はない。」

と私をぎゅっと抱きしめた。

「さ、アヤ、部屋に戻ろう。
アヤがすっかり冷え切ってしまう。」

「ふふっ
大王がいてくださるから、大丈夫ですよ。
でも…、そうですね。戻ります。」

私は、大王に促されて部屋に戻った。

私の部屋には暖かくて柔らかい鹿皮が敷いてある。
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