大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
大王にそんな事を言われて、思わず、

「思ってません。
お願いですから、離してください。」

と答える。

「くくっ
アヤは相変わらず、負けん気が強いな。
ここしばらく、おとなしかったのが嘘の
ようだ。
里帰りして、良かったな。」

そう言って、大王はもう一度唇を重ねた。

「ん…」

心臓がこれでもかと言わんばかりにせわしなく鳴り響く。

大王に抗議しようと口を開きかけた所で、舌が入り込んで来た。

なに?

「う……、ん…」

大王の舌が口の中を蠢いて、舌を絡め取っていく。

何が起きているのか分からず、混乱する中、私は大王の衣を必死で握りしめていた。

大王の舌が、私の口の中を縦横無尽に動き回って満足すると、ようやく唇を解放してくれた。
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