アダムとイヴ
暑すぎて、歩いているだけでも息が上がりそうな位だった。


今日は熱帯夜だな・・・。


寝苦しくなりそう。


「…大丈夫?」


暑さのせいか、はたまた痛みが酷いのか、口数が少ない佐野。


「うん、何とか…」


憎まれ口も叩かず、毒舌も吐かず、素直な佐野は少しだけ気持ちが悪い。


いつもの調子で話さない佐野が心配になってしまう。


「救急で病院行こうか?」


「…いや、マジで大丈夫だって!」


顔が痛みに歪むせいか、強がり方が痛々しい。


病院に行けば先程のいざこざがバレるとでも思っているのか、頑なに拒否をする。


「飲みに行かなくてもいいよ?また今度でも…」


「飲みに行かないと痛みで死ぬって!それより…御願いがあるんだけど、乗せていってくれる?」


「それは構わないけど…車は明日、取りに来るの?」


「そうだな、明日、取りに来るから面倒見てやって!」


「……奢って貰うからしょうがないか、面倒見てやる!」


「宜しく…」
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