アダムとイヴ
売り言葉に買い言葉、いつもの佐野が戻って来た。


言い争いをしたり、強めのカクテルを注文したりして上下関係を競っている間に閉店の時間へとなってしまい、外に出る時間になった。


代行サービスに電話したが、花火大会後という事もあって二次会等で混んでいて1時間待ちらしく、とりあえずは予約をせずに店を出た。


もう一件、何処かに行こうと思って歩き出したけれど、相変わらず・・・、暑い。


バーの心地良い温度とは裏腹に、外に出た瞬間にじんわりと額に汗をかくのが非常に不愉快だ。


「涼みたいしシャワー浴びたいな…、汗でベタベタだよ」


ボソリと思わず呟いてしまったが、その言葉は失敗だった。


「……浴びて、行くか?」


佐野の言葉が冗談だと思った。


冗談ではない事に気付いたのは、佐野に手を引かれ、近くのビジネスホテルへと誘導された時だった。


佐野に手を引かれる事など、今までに一度もない。


生憎だが、ダブルの部屋だけが一室だけ空いていて佐野が勝手に受付をした。


動揺しながらも、手を振りほどけなかったのは何故だろう?


酔いが回ったせいか?


それとも────・・・・・・



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