目を閉じたら、別れてください。
「じゃあ、これとこれ、とりあえず一回試着させてもらってもいいですか?」
「えええ。六千万とか怖い! めっちゃ怖い」
「壊しても、保険入ってるから大丈夫だってよ。ほれ、このイヤリングとこっちのネックレスと」
「ぎゃー! ゼロの数が二桁ぐらいおかしい! むーりー」

必死で逃げ回ったけれど、観念してそれをつけてもらった。
レンタルアクセサリーのカタログには、ちゃんとした価格のアクセサリーもあるようでほっとした。それでも身に付けるアクセサリーは100万円以上がザラだ。

「せっかくの一生に一度しかない式で、安物つけても仕方ねえだろ」
「一度かはまだ分からないけどね」
「おい、こら」

頬をツンツンする進歩さんにつねり返していたら、動かないでと注意された。
今度は、この服に合った髪のセットを決めてそれに合わせてアクセサリーらしい。

お団子頭みたいにするのかと思えば、私は髪が肩より長いのでハーフアップでも可愛いと言われた。
右か左に流して、某ディズニー映画のラプンツェルのように花を散りばめる髪型も人気らしくそれも推奨された。

……どうせ私なんてと思っていたドレス選びだったけれど、当たり前のようにお姫様みたいに扱われ、段々夢中で選んでしまうから怖い。

「新郎様も着替えて並んでみましょうか」
「じゃあ髪のセットは自分でします」
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