目を閉じたら、別れてください。
「どうせなら一眼レフ買おうかな」
「また無駄使い。新居の家具も見に行くんでしょ」

あと三か月で式なのに、全然他が揃っていないことに焦る。
これは本当にしりに火を付けなくては。

「もうこのマンションでいいんじゃないの?」
「桃花はそうやってすぐ妥協する。このマンションはビジネスマン向きだろ。ファミリータイプか一軒家がいい」
「……ひい」

どこからそのお金が出るのか考えただけでも恐ろしい。
私は一人暮らしのしがないOLだが、彼は違う。

海外の銀行勤務のせいか、なぜかスイス銀行にも貯蓄があるらしいし、神山商事を継ぐだけあってお金の使い方が大胆だ。

叔父さんだって専務だから、高収入だろうに全く無駄使いしない質素な生活に対し進歩さんはちょっと華やかだ。

私は少女漫画の招集棚さえあれば、他に贅沢は言わないのに。

「お前もそろそろ、今の事務所が移転するのに対してどうするか考えなきゃ。仕事辞めてもいいし、続けるならどの部署にするかだよな。流石に俺と同じとこは無理だけど……俺の秘書とかやべえ。楽しそう」
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