二人暮らし、始めました。
CHAPTER1

二人暮らし、始まります!?

「温(はる)ーー!ごはんよー!!」




階段の下から聞こえてくる、お母さんの声。



「はーい!」



大きな返事をして、夕食を食べるために二階にある自分の部屋から下に降りると、ハンバーグのいい匂いが広がっている。



あ〜〜、お腹空いた!




今日は私の大好きなハンバーグだ。


子供らしいって言われるかもしれないけど、お母さんが作ってくれるやさしい味の柔らかいハンバーグが私の大好物。


でも、最近牛肉の値段が高くなってきたらしくて以前よりもハンバーグを作ってくれる頻度が低くなった。




「なんと今日は奮発して、国産黒毛和牛のハンバーグなのよ」




エプロン姿で腕まくりをしたお母さんが自信満々に言う。


「やったー!」



高校一年生の私は年甲斐もなく喜んだ。


絶対、絶対美味しいよね!!!



……でも、どうしてなんだろう?



今日は家族の誰も誕生日じゃないし、特に何かに頑張ったとか賞を貰ったとかそういう日ではない。



ごくごく普通の、水曜日だ。



家の近くのスーパーの特売は明日だし……




お母さんが奮発するのって何かあるときだから、私は少し不思議に思った。





まあ、いっか!美味しいハンバーグが食べられるんだし?



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