難病が教えてくれたこと
ほんとにしょうがないなあ…
「李那ちゃん、ごめん…」
「やってしまったことはしょうがないよ。
それより嬉しくてしょうがない。」
言葉通り。
1つになれた嬉しさと、もしかしたら…っていう嬉しさ。
体が動くあいだにできて良かった。
「もし、妊娠とかしたらちゃんと責任とるから。」
「…ありがとう」
そういうのはあんまり考えたこと無かったなあ。
いつも気ままに過ごしてたから…
「おやすみ、李那。」
「おやすみ、裕くん。」
そっとお互い目を閉ざして夢の中に落ちていった。

…どこか幸せな夢を見た。
『李那、大会お疲れ様。』
『お姉ちゃん?!』
『ちゃんとトラウマ克服できたんだね。』
『お姉ちゃんの声が聞こえた。』
走ってる時にふ、と聞こえたお姉ちゃんの声。
いまでも忘れられないよ。
『いつでも見守ってるからね。』
『大会、楽しかったよ。』
『走るの1年ぶりくらいだったもんね』
…まあ、体育祭抜いたら1年ぶりだな…
『走れたのは裕くんのお陰だよ。』
『だね、貴方、多分妊娠するよ。』
お姉ちゃんの勘はよく当たる。
それは生前から変わらない。
『またね、李那。
大好きだよ。』
…お姉ちゃん…
私もだよ…
【如月李那side END】

【中矢裕side】
「…ん…お姉ちゃん…」
俺の腕の中で寝てるのは愛しい彼女。
昨日元通りになって、我慢出来なくなってシテしまった。
それも…なかに出してしまった…
「…可愛いなあ…」
「…ん…」
李那が目を開ける。
「おはょ、李那。」
「…ん、おはよう、裕くん。」
李那はのそりと起き上がり、着替え始めた。
「なんか用事あるの?」
「海澪が相談あるんだって。」
「海澪ちゃんが?なんだろうね。」
「さあ、恋の話かな?」
まあ、あの海澪ちゃんに限ってそれはないか。
今までそんな話したことないからなあ、ちょっとワクワクしてる。
あとから李那から聞こうかな。
「じゃあ俺は友達と遊ぼうかな。」
「怪我しちゃやーよ。」
なんだその拗ね方。
可愛すぎだろ。
「じゃあ今日はお互い別の子と遊ぶと。
まあ、時間によりけりだけど、合いそうだったらご飯でも食べに行こう。」
「そうだね。じゃあ行ってくる!」
李那は着替え終わって全ての準備を終えると海澪ちゃんの所に行くために出ていった。
家から出ても俺の姿を見るとブンブン手を振ってくる李那。
いや、可愛いけど、はよ行けよ。
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