難病が教えてくれたこと
「え、誰が誰を襲うって?」
私の聞き間違いかしら。
「え?僕が君をだよ?」
「…ぷっ…」
「な、何を笑っている?」
この人私を襲おうとしてるの?
私を?
ねえ、バカ?馬鹿なの?
あ、そうか、馬鹿だった。
「通り魔の癖して刃物怖くて持ってないのに?」
適当なことを言って誤魔化しておこう。
「刃物?持ってないよ。
僕は女をいたぶるのが好きなだけさ!」
「馬鹿なんだね。よくわかったよ。」
「なんだと?」
「仮にも私、空手も、合気道も、剣道も有段者だけど?」
そう、私は剣道2段、空手3段、合気道はまだまだ…
だけど一応有段者なんだよね。
私に武器持たせたらこの人死んじゃうんじゃないかな?
「なんだと?!」
「じゃあ、帰るね。」
面白いもの見れたし、満足満足。
「待ちやがれゴルァ!」
あらあら、一気に雰囲気変わったよね。
ードコッ…
…いった。
怒らせたね、この私を。
正当防衛だよね?
殴っても許されるよね?
ってことでなぐりまーす!
「あんた、今何した?」
「…なにって、襲ってるだけだが?」
開き直りやがったなコイツ。
私を殴った落とし前はしっかりつけさせてもらうね。
「ふふ、楽しみだなあ。」
「何をだい?!」
「ねぇねぇ、霊狼って、知ってる?」
知らないわけないよね?
だってこの街で霊狼の名前を知らないの、いないんじゃないかな?ってくらい有名な名前だもんね。
「霊狼だと…?」
「あ、知らないの?
わるーい人たちを一気に地獄にたたき落とす正義の味方だよ?」
知らないみたいだから少し説明してあげたんだけど。
「霊狼…もしかしてメドゥーサのことか?!」
メドゥーサ…?
何それ、かっこいい!
確か悪魔みたいな感じのやつだったよね?
あれ、違ったかな?
「どこからともなく現れて殴り倒すっていう伝説の悪魔…!」
「あ、そうなの?知らなかったわ。
まあいいや、その霊狼なんだよね、私。」
メドゥーサのほうが好きかも♡
なんかかっこいいね。
気に入っちゃった。
「え、霊狼?!」
「そうだよ?悪い奴が出てきたから倒しに来たんだあ♪」
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