難病が教えてくれたこと
びっくりしたかな?
あの霊狼が目の前にいるんだもんね〜
そりゃあびっくりもするよね?
ふふ、腰抜かしてるし。
さあて、ここからどう料理してあげようかな♪
「え、あ、あの…」
「あんたがどこで誰を倒してきたか知らないけど、因果応報だね。ばーか。」
私はこの自称通り魔に馬乗りになって思いっきり拳を振り上げる。
膝で思いっきり鳩尾目掛けて膝蹴りする。
「う"っ!」
そりゃあ痛いだろうね?
とりあえずこれで大人しくなったし、警察にでも連絡しとくか。
「あ、通り魔を中央公園で潰したんで逮捕よろしくお願いします!」
『え、あ、はい…?』
よし、なんかスッキリしたし、警察来たら帰るか。
「メ、メドゥーサ…」
「…なんだよ。」
「お、覚えてろ…今度あったらただじゃ置かねぇ…」
「あら楽しみ。まあ、それまで私が生きてたらね。」
うるさいから1発殴って強制終了。
「うわっ…めちゃくちゃ殺られてんじゃん…」
え、何もそんな殺したみたいな言い方しなくても…
「大丈夫ですよ、生きてます。」
「うわっ!」
警察の方の後ろからにゅっと顔を出す。
「あんた…もしかして…霊狼か?!」
「そだよ?」
「君にはいつも俺ら警察も助けて貰ってる。ありがとう!」
あらら、なんか感謝されちゃったよ。
まあいいか、気分いいし。
家に帰り私はシャワーを浴びる。
「お姉ちゃん?!」
「なーに?今お風呂なんだけど?」
「李那!貴女通り魔殴ってきたの?!」
「うん、なんで?」
「今、警察の方が家に来たのよ!」
えー、と…?
悪いことしたかな?
「とりあえず上がってもらったけど…貴女早く出てきなさいよ!」
「ええ?!」
今入ったばかりなんですけど?!
もー、しょうがないなあ…
チャチャッと頭と体を洗い流し、私はTシャツとハーフパンツでリビングに向かった。
いつものパジャマスタイルだ。
「李那。なんて格好を…恥ずかしい…」
「だってお風呂上がりだもん。」
「如月李那さんですね?!」
「そうです。」
警察の方と向かい合って座る。
なんかこの人警察のお偉いさんじゃないの?ってくらい厳つい人。
「この度はご協力頂き、ありがとうございました。」
「…はい?」
え、なんのこと?
通り魔のやつ?
あんなの協力したつもりないんだけど。
「通り魔逮捕にご協力頂き誠にありがとうございました。」
「えっと…?」
「まさかニュースになったその日に逮捕できるとは思ってもいませんでした。」
私もだよ。
まさか自分にあんな快感が得られるとはね。
人を殴ることに躊躇いも何も無くなってきたよ。
すごいね、私。
「聞けば貴方は病気だとか…」
「そうですー私はALSっていう筋肉関係の病気なんです!」
病気の人だとは思えないくらいまだ元気だけどね。
「…警察としては感謝状を送りたいくらいです。」
「いいです。気持ちだけで!」
そんなの貰ったら悪いよ!
だって私自称通り魔の事ストレス発散に使っちゃったから!
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