難病が教えてくれたこと
「そういやそうだね…寝てたんだ、私…」
はああ…と大きなため息をこぼす李那。
それでもやるべき事はやる、責任感の強い女の子だ。

「ー…はーい、それじゃあ決めよう〜」
見るからにだるそうでめんどくさそうな顔をした李那。
その様子をぼーっと眺める俺。
「はーい!」
「ん、どうぞ」
「ベタなメイド喫茶!」
「はい、却下」
ある女子が笑顔でノリノリで李那に案を出すも黒い笑顔で却下されていく。
「俺!」
「ん!」
「お化け屋敷!」
「いいね!」
…李那、怖いところとか好きなのか?
お化け屋敷に目がキラキラしてる。
「あと、普通に喫茶店は?」
「予算どれだけだと思ってるの?」
ニッコリ笑う李那が怖い。
多分予算足りてないんだな…
「…まあ、別に、出来なくもないんだけど…」
「メイド喫茶!もしくはコスプレ喫茶!」
「それ、やるなら男女ともにね。
メイド喫茶なら男子にもメイド服着てもらうから。」
…それはやだ…
「じゃあコスプレ喫茶…?」
「いや、お化け屋敷だろ!」
委員をさておき、クラスで討論が開始された。
李那はお化け屋敷やりたいんだろうな…
「絶対コスプレ喫茶!」
「いーや!お化け屋敷」
海澪も苦笑している。
俺は…どっちでもいいけど…
ードンッ!
「はーい、うるさいよ。」
李那が元ヤンなことはクラスが知っている。だから怒らすとダメなのも知ってる。
李那が教卓を叩き、一言言うだけで大人しくなるクラス。
「コスプレ喫茶にしてさ、教室内をお化け屋敷風にしてするのは?」
…ぉぉおおお!
納得。
お化け屋敷みたいにして、喫茶店…
すげえ、文化祭っぽい!
「「「「「「「賛成!」」」」」」」
…決まった。
即決…早い…
「じゃあ次は…」
李那は次々と、サクサクと役割を決めていく。
時間配分や、内装のこと。
衣装のことも。
衣装は派手目のグループがやってくれることになり、看板や内装はスポーツ大好きな連中や部活のヤツらがやる事に。
…俺や海澪や、李那…
残りの奴らは宣伝…
早速余った時間で派手目のグループが採寸をしに全員のところを回っている。
看板や内装の奴らはどんな感じにするのか、デザインを考えている。
…和気あいあいとしたこういうの、いいな。
【更科蒼空side END】
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