なりゆき皇妃の異世界後宮物語
曙光はハッと我に返り、唇を離した。


 朱熹は目を開いたまま、固まっている。


「す、すまない!」


 曙光は慌てて謝った。


 なんてことをしてしまったのだろうと思う。


 思いが溢れて止まらなかった。


 朱熹があまりにも可愛かったとしても、朱熹のことが好きすぎていたとしても、相手の気持ちを無視して一方的に押しつけることはしてはいけない。


 そんなこと、分かっていたはずなのに……。


 体が離れ、朱熹もようやく止まっていた思考が動き出した。


(い、今のは、一体……)


 だんだんと朱熹の心臓が動きを早める。


(もしや、キ、キス!?)


 途端に顔から火が噴き出るように真っ赤になる。


(な、なぜ、なぜ……)


 だんだんとパニックになってきた。


 何が起こったのだろう。


どうして陛下は突然私にキスを……。
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