なりゆき皇妃の異世界後宮物語
 朱熹が熱く話し出すと、曙光は慌てて話を遮った。


「待て、話したいこととは、林冲のことか?」


「はい。本日昼に、刑が執行されると聞きました。それまでにどうしてもお話したかったのです」


 曙光は、大きなため息を吐き、額に手を添えた。


「朱熹、そのことだが……」


 曙光はとても言いにくそうに朱熹を見つめた。


「はい、なんでしょう」


「もう、林冲の刑は執行されてしまったんだ」


 朱熹は、目の前が真っ暗になった。

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