夜。〜キャバ嬢の恋〜
私は思わず顔をあげた。
目の前にあった姿見には
腕に私をおさめた中村さんの姿が
しっかりうつっていた。
私は、さっきのことを思い出して顔をさげた。
…中村さんの顔を見るなんて無理。
汚い私を見られたくない。
せっかく勢いを失い始めた涙が、
また流れ出した。
中村さんはうつむいてなき続ける私の頭を
ゆっくりなでる。
そして、私の体を引き寄せて顎をとる。
上をむいた私に
中村さんの口づけがふる。
長い、長い口づけ。
それはキスとよぶには
あまりに純粋で、
あの朝の光のような
暖かいもの。
鼻に届き続ける中村さんの香水の香りは
どこのものかもわからなくて
香水とタバコと、彼自身のにおいがまじった
暖かい温度のような。
私はゆっくりと目を閉じた。
細いようでしっかりとした彼の体が
目を開いていた時より
しっかり感じられる。
やがて中村さんは、
またゆっくりと私の頭をなでて、
働きがにぶくなった私の耳にいった。
『消毒した』
中村さんはもう一度私を抱き締めると、
ホールに戻っていった。
残された私は、きつく抱き締められたために残った中村さんの感触を感じながら
彼の出ていったドアをみつめた。
目の前にあった姿見には
腕に私をおさめた中村さんの姿が
しっかりうつっていた。
私は、さっきのことを思い出して顔をさげた。
…中村さんの顔を見るなんて無理。
汚い私を見られたくない。
せっかく勢いを失い始めた涙が、
また流れ出した。
中村さんはうつむいてなき続ける私の頭を
ゆっくりなでる。
そして、私の体を引き寄せて顎をとる。
上をむいた私に
中村さんの口づけがふる。
長い、長い口づけ。
それはキスとよぶには
あまりに純粋で、
あの朝の光のような
暖かいもの。
鼻に届き続ける中村さんの香水の香りは
どこのものかもわからなくて
香水とタバコと、彼自身のにおいがまじった
暖かい温度のような。
私はゆっくりと目を閉じた。
細いようでしっかりとした彼の体が
目を開いていた時より
しっかり感じられる。
やがて中村さんは、
またゆっくりと私の頭をなでて、
働きがにぶくなった私の耳にいった。
『消毒した』
中村さんはもう一度私を抱き締めると、
ホールに戻っていった。
残された私は、きつく抱き締められたために残った中村さんの感触を感じながら
彼の出ていったドアをみつめた。