茜空
歩けない

と言っていた彼は
ワタシの腕を強く離さず

ホテルの中まで
連れて行った




部屋に入るなり
ワタシの頬を両手で包み

長く激しいキスをした








そん時
ワタシ思い出したんだ







忘れてた





この人の
全てが欲しい−−





という






自分じゃ
どうしようもなくて


苦しくて
辛くて
持て余して



それでも
逃れられなかった







全身全霊の
感情を−−−−−
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