愛を私の音色に乗せて。
事務所に着いた私たちはあるオフィスに来た。
なんか『THE事務所』って感じの、パソコンと人のいっぱいいるところ。
「わぁ、」
こんなとこ来た事ないから心臓バックバクだ…
「紫音さん着いて来て?」
そう言われて連れてこられたのは隅っこにある客間。
そこには、
「お、伊藤さん久しぶりだね!」
「お、お久しぶりです!」
朝日奈さんと、
「君がシオさんか、初めまして。僕は栗原実留(クリハラミノル)と言います。よろしくね」
栗原さんという男性がいた
「初めまして。伊藤紫音です、」
「はい、みんな座って〜」
朝日奈さんに促され、ソファに座る。
「今日来てもらったのは、主題歌のことでね。
あの歌、本当に良かったから、
他の楽器も加えて、あのまま曲にしようと思うんだ。
それで、栗原くんにその他の楽器の楽譜を完成させてもらうことになったんだ」
「は、い。」
話が早すぎて、分かるような分からないような…
「それでね、ドラマ制作してるところから催促されてて、あと3週間で作り上げなきゃいけないんだ…」
3週間…
「3週間っていうのは…短いのでしょうか?」
私からしたら、それだけあれば。って感じだけど、
「ありえないくらい短い」
らしいです、
私の知らない作業がたくさんあるみたい。
「ごめんね伊藤さん。こんなに早くなると思わなくて…
それで、もう今からやっていこうと思うんだけど、良いかな?」
無理でもやらせていただきますよ?!
夢が叶うんですから!
「頑張ります!」
「流石だね君は。
じゃあ早速、部屋を移ろう!」
朝日奈さんに連れられて『レコーディング・防音室』に来た