愛を私の音色に乗せて。


ステージが完成し、立ってみると
少しツルツルしてるけど大丈夫そう!

ストレッチをして振りを考える。
…って、これよく考えたら一曲丸々踊るんだよね?!

4分半…結構しんどいよ!?
体力温存しながらやらないとバテバテだ

「shion〜一回音出すから自由にやってみて?」

「分かりました!」

今回の曲は少しポップな感じ。
切なさを吹っ切るための歌。

曲や歌詞に合わせて跳んだり、回ったり、表現したりする。
下手にダンスを交えるより、バレエで突き通したほうが目を引くと思った私は

久しぶりに踊る楽しさとともに曲へと身を任せた。

うん、楽しい!
久しぶりで楽しんでしまい、凄い本気でやってしまった…

「ふぅ…」

まだ本番じゃないのに疲れちゃうじゃん、!?
加減を知らないのか私は!?

「…今の、自分で考えたんだよね?」

「は、い…」

監督さんが私の肩を持って覗き込んできた

「ものすごい良かった!本番もあの調子でよろしく!
少し時間を置くから、ゆっくりしてくれてもいいし、練習しててもいいよ!」

「は、はい!」

ふふっ!
久しぶりのバレエ、褒められて凄い嬉しかった。
今まで努力してきたことが、思わぬところで認められた。


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