愛を私の音色に乗せて。



「「は…?」」

…いきなり過ぎて大野さんとハモってしまった。
スカウトって、スカウト…だよね?

「あの…何のスカウトですか?」

「もちろんドラマのヒロインだよ!」

「「え」」

またハモった…

「ちょ、ちょっと待ってください志田さん?!
shionは顔は出さないっていう契約なんですけど、」

そうです。そうですよ!?
硬直している私の代わりに大野さんが言ってくれたけど、

「それは知ってるよ!でも、朝日奈社長にも一応許可は貰ったんだ。
そしたら自分で頼みに行けって言われてさ〜。

あの社長が言うには、歌手のshionとドラマに出る君を別の人っていう扱いにするのはどうかって言ってるんだ」

別の人…

「…と言うと?」

「つまり、歌手のシオンは今まで通り顔を出さないんだって。
それで、ドラマでは全く別の人としてでる。
要するに、君は芸能界に2つの名前を持って2人の人として活動するってのはどうかと言うことなんだ」

…うん、えぇ…うん

「…つまりは、別人として女優デビューしないかと言うご提案と言う事ですか、?」

「そう!そう言うこと!shionの活動は今まで通り…まぁ君自身がよければの話なんだけども、
僕は次のドラマに君を出したいと思っている。

どうかな?考えてくれる?」

「…どうして私を?」

「君のMVを見る機会があってね。そこで踊っている姿に一目惚れしたんだよ。
それで色々情報を探したら、あれは歌ってる本人だって言うからびっくりしたんだよ!

次のヒロインにぴったりな人材を見つけた!って思ってね」

見てくださったんだ…

「…少し考えてみます。なるべく早くお返事させてもらいます!」

「うん、前向きな返事、待ってるね」

ちょっと興味はあるけど、不安要素しかないなぁ…


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