Bloody Kiss♡
「あ‥、ありがと。」
助手席のドアを開けようと手を伸ばし、ふと疑問を感じた。
セトの屋敷は、あのカラオケ店の向かいで、あたしがチヒロを待っていた場所。
でも、人が住むような屋敷は、五年前には確かに無かったはず。
「ね、セトの家って新築?なんか、そんな風には思えなかったけど‥。」
「ええ、お屋敷は相当古くからございますが、それが何か?」
「だって、あたしが中学生の時は、あの場所に大きな屋敷なんて無かったもん。あそこは確か、工場で‥。」
ホルスは厳つい顔を綻ばせると
「お屋敷は、人間の目には閉鎖した工場としか映らないよう、禁戒の呪文が掛けられているのでございます。」
と、答えた。