死神の恋
なんとなく気まずさを感じた私は、なにか共通の話題はないかと頭をひねった。
「焼きそばパン、好きなの?」
昨日も今日も、彼は焼きそばパンを食べていた。だからひょっとしたら焼きそばパンが好きなのかもしれないと思い、彼に聞いてみたけれど……。
「別に。手っ取り早く腹が膨れるから食ってるだけ」
「ふーん」
なんとも呆気ない答えが返ってきた。
結局、それ以上会話も盛り上がらずに昼休みが終わった。
裏庭で彼に勉強を見てもらう日が続き、三週間が経った金曜日の昼休み。
「ありがとう」
五時間目が始まる予鈴が鳴り、勉強道具一式を胸に抱えると彼にお礼を告げる。いつもなら「ん……」という愛想のない声が返ってくる。でも今日は違っていた。
「明日、駅前のファミレスで十時に集合だからな」
定期考査が始まるのは、来週の月曜日から。ダンスの練習も休みのため、土日は部屋にこもって勉強に励もうと考えていた私にとって、彼の誘いは寝耳に水だった。
学校が休みにもかかわらず、私の勉強を見てくれようとする彼の意図がわからない。
「どうして親切にしてくれるの?」
ベンチから立ち上がった彼に疑問を投げかける。
「……嫌なら来なくていいけど」
しかしポツリとつぶやかれた彼の言葉は、私の質問の答えにはなってなかった。