死神の恋
一日の授業が終わり、真美と一緒に帰路につく。
「ねえ、未来。明日、ウチに来ない?」
定期考査が近づくと、どちらかの家で勉強会をするのが私と真美の恒例行事。初めのうちは真面目に勉強していても、いつの間にか話に花を咲かせていることが多いけど……。
でも今回はその勉強会も中止になりそうだ。
「実は……」
昼休みに裏庭で彼に勉強を教えてもらっていたことを、そして明日はファミレスに誘われたことを真美に打ち明けた。
「未来っ! なんで今まで内緒にしていたの?」
真美は声を荒らげ、頬を大きく膨らませる。
今まで彼とのことを秘密にしていたのは、真美に心配をかけたくなかったから。けれど私と真美は幼なじみで親友。隠しごとをしていた私を真美が責めるのは当然だ。
「……ごめんね」
すぐに謝ったのは、以前と同じようにケンカして、謝るタイミングを逃したまま真美と口を利けなくなるのが嫌だったから。
あんな悲しくて心細い思いは二度としたくないし、今回は一方的に私が悪い。
また真美を怒らせてしまった……。
肩を落として力なくうなだれていると、真美が思わぬことを言い出した。
「明日、私もファミレスに一緒に行くから」
「えっ?」
「彼にそう連絡しておいて。じゃあね」
真美は早口でそう言うと、手を振りながらどんぐり公園の分かれ道を進んで行ってしまった。
『連絡しておいて』と言われても、私は彼の名前はおろか、ナンバーもアドレスも知らない。
「もう……」
真美の勢いに圧倒されてなにも言えなかった自分と、私の意見を聞かずにファミレスに行くことを勝手に決めた真美にあきれつつ、ため息をこぼした。