曖昧なポジション
輝く太陽が私たちを見下ろしているけれど、
ここに流れる雰囲気は最悪だ。
水沢の言う通り、ムードの欠片もない。
苛立つ私に、それを相手にせず受け流す男のせいで。
「なんで、泣く?」
「悔しいから」
もう堪えられない。
こんな仕打ちってある?
涙を止められないなんて、子供っぽくて呆れるでしょうね。
溢れ出す滴を、水沢にだけは見られたくなかった。
「もう、いい…よ。サヨナラ」
玄関のドアを閉めようとする。
しかしそれを遮るように水沢に腕を掴まれた。
強い、強い力。
男の力。
「まだ話の途中だろ」
「話す、こと……なんて無いよ」
時々、嗚咽が混じる。
こんな醜態を好きな男の前で晒しているなんて、最悪。
「俺はまだ、なにも話してないけど。一方的に告白して、こっちの答えは聞かないわけ?」
「…聞きたくない」
「答えを求めない告白に、なんの意味があるんだ?」
水沢の返事なんて、分かりきっている。
だからずっと苦しかったんだよ。
「もう終わりにしたかったの。これからは休日に私を誘わないで」
映画も彼女と行って、
という言葉は呑み込んだ。