曖昧なポジション
「一緒に住んでる大学生のことを彼女と勘違いしてるんなら。どうしようもねぇ、アホ」
水沢の胸に顔を埋めるかたちで耳を傾ける。
「親戚の女の子を預かってる。うち広いからたくさん部屋が余ってることは前に話したろ」
「え……、」
「はあ…おまえ…女子大生の話、まだ覚えてたのかよ…けど俺、付き合ってるだなんて一言も言ってないよ?部屋を貸しただけ。ちなみに、その子の父親も一緒に住んでる」
「……同棲じゃないの」
女子大生と父親?
確かに同棲の話しを聞いた時、"彼女"だとは言っていなかった。
「ない。…同棲って響きはいやらしいわな。ただの居候か」
「初めから、そう言ってくれれば……」
恥ずかしい勘違いをせずにいられたのに。
「彼女?って聞いてくれてたら、完全に否定してたけどな。それに父親のことも話そうとしたら、おまえ、俺を振り切るように去って行ったじゃんか」
恥ずかしくて、水沢の顔が見られない。
水沢は私の身体を包み込むように、腕を回した。
これも私の勘違いでなければ、
今、水沢に――
抱き締められている。