ストーカーに溺愛されても嬉しくないんですが。




「え!?え!?なんでつゆがここに!?まさか俺に会いたくて!?」


一人で被害妄想している先輩にわたしはお金の入った封筒を押し付け背を向けた。


「つ、つゆ待ってくれよ!昨日のお金返しに来てくれたんだな!」


この人は放課後だけでなく昼休みにもついてくるのか。


「なあなあ、パン買いすぎたから一緒に食わね?」


けっこうです。


わたしは自分のを今から自分で買いに行ってあなたではなくて麻尋とふたりで食べるので。


「ごめんねえ、今日は売り切れだよ~」


パン売り場に着くと、パン屋のおばさんは片付けを始めていた。


はあ、ストーカーのところになんて行くんじゃなかった。


わたしの今日の昼食なくなったじゃないか。


仕方ない、自販機で飲み物買って、午後の空腹をしのぐか。


「よーし、じゃあ中庭で食うか!!つゆ、行くぞ!!」


「...は?わたしは自販機に...」


「あ、そうだな!飲み物もいるな!!」


「...」


「サンドイッチと、カレーパンと、あんパンと、クリームパンと...たくさん買ったからどれでも好きなの選んでいいからな!!」


買いすぎでしょ。



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