大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
パチチチ、と普通の花火より不規則に光が飛び散って、電球が美しく壊れていくみたいな花火。
その色も、控えめな光も、幼い頃から好きだった。
小学生の頃、千歳くんと千尋と私の三人で、だれが一番長く線香花火を続けられるか勝負したこともある。
勝つのは、きまって千尋だった。
じっと黙って、動かないでいる。そういうのが、たぶん千尋は得意だ。
パチチチ。
白っぽくはない真ん中の光と、そのまわりを血液がめぐるみたいに閃光がはしって、それで消えていく。
きれいだ。だれといても、どんな気持ちでも。それは、打ち上げ花火と同じ。
でも、いま、千尋といる。
千歳くんという柵みが私にとってはもうひとつもなくなった状態で、千尋といるんだ。