大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「―――私、千尋が好き」
言葉は、線香花火の光みたいに私の口から滑り落ちた瞬間にパチン、と消えていった。
そのあとをすぐ追うように、隣の、__千尋の、光も落ちてゆく。
「………っ、」
「……、」
そして、私と千尋は確かな灯りも失って、薄暗闇につつまれた。
沈黙が夜の冷めた空気とあいまって、呼吸ができなくなる。
線香花火が得意なくせに、私の言葉に、すぐに光の玉を落とした千尋は、きっと動揺したんだろう。
心臓が、どくどくとけたましく鳴っている。
消えてしまった線香花火を、私はまだ指でもったままでいる。
それからじわじわと頬に熱が上っていく。
それを暗闇に隠して、ゆっくりと千尋に顔をむける。
と。