大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
ごめん、って思ってる。
反省した。
でも、どうせなら、百瀬さんに対して可哀想って思っていてほしかったよってまだそんなことを思っている私は、反省してもしてもきりがない。
千尋はうつむく私の頭をなでてくれなかったけれど、それでよかった。
今、これ以上、優しさだかなんだかわからないものをもらったら、もう耐えられないと思ったから。
私たちの住宅街が見えてくる。
私も千尋もまたお互いに喋ることもなく歩いていたけれど、ふと、千歳くんの言っていたことを思い出して、タイミングは絶対に今じゃないって分かっているけれど、どうせもう散々なんだから、どうなってもいいや、って投げやりな気持ちになって、千尋、と制服のそでを引っ張る。
ん?と私を優しく見下ろした千尋の表情はもう完璧にいつも通りに戻っていた。