大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「……駅前のクレープ食べにいきたい」
「え,今から?」
「…うん」
――放課後の、デートに誘う。
好きを態度で示すためについこの前必死にしぼりだしたアイデアをこんなタイミングで使うなんて、頭がおかしい。
千尋は、いきなり?って顔をしてる。いきなり?って私も思ってる。
でも、私は、百瀬さんの方に傾いている気がする千尋をどうにか自分の方に寄せたくて、必死だ。
最低なことをまた言ってしまうくらいなら、こういうやり方の方がマシな気がするよ。
棘を隠してふわりと可憐に微笑むお姫様に、どうやったら適うのか分からない。