大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「虹、購買にいたんだ。ごめん、全然気づかなかった」
ひゅう、と冷たい風がスカートの中に入り込む。
私は、思わず千尋から目をそらして、前をじっと見つめる。
いたんだ、って何。
気づかなかった、って。
目が合う行為が、一人で完結してるとでも思ってるの。
目が合ったのに、誤魔化そうとする意味が分からなかった。
もしかしたら本当に千尋は気づいていなかったのかもしれないけれど、そんな可能性0に限りなく近いだろう。
スカートから私を冷やした風のせいで心まで冷たくなってきてしてしまう。
「てか、なんで虹が購買?いつも虹パパが弁当作ってくれるって言ってたじゃん」
「え、っと、……付きそい」
「……へー」
今、水嶋くんの名前をだすべきか迷って、出さないことにした。
明確な理由なんてないけれど、なんとなく出したくない、って思ったから。