大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
気まずさをふりきるように、口をそっと開く。
「千尋、」
「…うん?」
「今日、購買にいるとこ見かけたよ」
今日のお昼、目が合ったから千尋は私がいたことを知っているはずだ。
しばらく沈黙が流れて、その空気の重さに、話しかけたところで気まずさは消えないんだ、と落ち込みながら千尋を見上げたら、千尋の眉間にはなぜかわずかに皺がよっていて。
だけど、千尋?と名前を呼べば、その皺は無理矢理ほどかれるみたいに消えていった。
千尋が私に視線をむける。
そして、甘ったるさと冷ややかさを下手くそに混ぜて適当にすくったみたいな微笑みをつくった。