大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




水嶋くんは、頬杖をやめてティラミスを一口、スプーンですくう。

それから、味わい終わるとそのスプーンをわたしに向けて、口を開いた。



「で、枢木ちゃんは?」

「え、」

「世の中ねー、公平・公正の考え方があるじゃん。俺にだけ話させるのはアンフェアだから、俺にも、枢木ちゃんなんか話してよー」

「なんかって、」





「なんで、枢木ちゃんって朝比奈に好きって言わないのー?」




とろんとした瞳が私をとらえる。

スプーンをもったまま動けない私と、もう一口ティラミスを口に含んで満足げな水嶋くん。


たった今、色々と水嶋くんに聞いてしまったことを後悔した。

彼にとっては適当に聞いたことなんだろうけど、きっと気になってるのも事実だろう。

ごまかせばいい、ここは。
そう思うけど、ぜんぶ見透かしているような水嶋くんには通用しないような気がして。





それで、なんとなく。


このゆるい人に、ゆるいアドバイスをもらうことも悪くないかなって、軽率なことを思ってしまったんだ。

千歳くんとは違うアドバイスがもらえるんじゃないかなって、千尋のことに関してはいっぱいいっぱいだから、なおさらそう思ったんだと思う。




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