大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】





確かに、千尋にとってみれば虫のいい話なのかもしれない。

馬鹿にするな、ってそんなことは優しい千尋はきっと思っていないだろうけど、それに似た感情を抱かれているとするなら、すごく怖いし、ごめんね、って思う。




だけど、好きなんだ。

千尋が信じてくれなくても、好きなものは好きだ。


だからこそ、千尋には私が千尋のことを好きなんだってことを分かってほしくて。


この前、千歳くんの代わりって言ったばかりだけど、ずっとそんなことを言い続けるのは無理だって分かってるし、私だっていつか限界がくる。





「……どうしたら、信じてもらえるかなあ」



呟くみたいにだした声はひどく弱々しくなってしまって、水嶋くんは頬杖をついて、んー、なんて、とりあえず、みたいな軽さで悩んでいる顔をして、それからそのままふわあ、とあくびをした。



人が真剣に悩んでるのに、水嶋くんはペースを乱さない。
呑気。情がない、やっぱり。



そんな彼は、あくびをした後に、そのままゆっくりと言葉を続ける。




「告白大会とか?」




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