大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
だって。
「水嶋にはまって、でも気持ちが一方通行で泣かされた女いっぱい知ってる。水嶋とバイトの時とかそーいう話したことあるし。違うやつから聞いたこともある。でも水嶋は自分からいくようなやつじゃないから。虹のことねらうとかふざけたこと言ってんの、意味分かんない、ほんと。なに、もうおちた?お前」
「………」
「あんなの、どう考えても本気じゃない。本気にしてんなら、はやく目さましたら。虹だけ水嶋に本気になって、泣かされて、そんとき、どんすんの」
「………っ」
「また、俺が慰めんの?千歳くんの時みたいに?」
「………、」
「千歳くんが自分のとこにこないからって、水嶋で穴埋めすんのは本当に間違ってるから。もっと傷広がんだよ、それ。そんなくらいなら、」
ほら、だって。
「――虹は、ずっと千歳くんのことを待ってればいい」