大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
ほらね。
千尋の着地点は、これだ。
一気にかっとなって熱かった身体が冷めていく。
秋を通り越して、ひとりだけ冬。
そんな感じ。
むなしくて、仕方ない。
期待すればするほど、落とされる。
落とされても、その先に千尋がいる。
だから、逃げられない。
“俺が慰めんの?”なんてさ、馬鹿にしないでよ。
苦しい。
苦しくて、朝から不愉快で仕方なくて、もうここまで期待して落とされるのなら、いっそどん底にまで一度落ちちゃえばいいや、なんて投げやりになって、千尋を睨む。
それから、ゆっくり口を開いた。