大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
嫉妬、してくれたのかもしれないってわずかな期待も、私が思うならそれでいい、なんて言われたことで全然嬉しいものではなくなってしまう。
期待して、おとされて、また期待させられて、最後はずるい言い方でするりとすり抜けていく千尋。
なんでもいいわ、って、私はなんでもよくないのに。
千尋にはなんでもいい、ことなのだ、結局は。
修羅場じゃない?やっぱり、なんて再び耳に届いた誰かの声。
千尋の言葉を最後に、しばしの沈黙がわたしたちを包んでいたけれど、それをおしまいにするように、千尋が私に背を向けた。
「…やっぱりひとりで学校行く。放課後は一緒に帰るから、待ってなかったら怒る」
それから千尋は、私の返事も待たずに、すたすたと先に歩いていってしまった。