大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




甘えていたから、私は。
千歳くんに。


慕っていた、恋をしていた、それよりも甘えていた、っていうほうが正しい時もあったかもしれない。

はじめて出会ったときの幼さを千歳くんに対してはずっと捨てることができなかったんだと思う。




中学生になって一人称に“私”をつかうようになったくせに、千歳くんにだけは自分の名前で自分のことを呼んでしまっても気にしないでいた。


それを千尋にたまたま聞かれたとき、千尋はきれいな顔をきれいなままゆがめて、『気持ち悪いね、虹ちゃん』となんとも辛辣な一言を放ち、それで私は一丁前に傷ついていた。


そのころからすでに、もう、千尋のことはうまく分からなかった。





「…千歳くん、」

「ん?」



「…千尋ってさ、何考えてるのかな」



りんご飴にそっと歯をたてながら、千歳くんを見上げたら、困ったような顔をされる。




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