大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
小学生くらいの男の子たちが走りながら私たちの横を通り過ぎていく。
初々しい中学生くらいの男女が二人で綿飴をわけあってるのが視界のはしでみえる。
そうやって、みんな年を重ねていく。
私と千尋も毎年、当たり前のように同じ年をとっているのに、年齢だけが先に行ってしまって、それ以外のものはすべて取り残されているような気がする。
「昔は、あいつが考えていることわかったよ、ぜんぶ」
「……」
「でも今は俺もほんとにあいつが何考えてんのかわからない」
「千歳くんでも?」
「逆だよ。たぶん俺だからだよ、虹」
「へ、」
「あいつは自分の気持ちを俺には言わないよ」
それは、私にもだよ、千歳くん。
そう言う代わりに、「そっか」と当たり障りのない言葉を返す。
千尋は、自分のことをあんまり言わない。いつも相手のことばかりだ。
お前には関係ないって、その言葉で自分を閉ざす。
それが千歳くんにも同じだとは思わなかったから正直驚いた。
りんご飴の中から、じゅわ、と甘いりんごの蜜がでてくる。
それを味わいながら、今頃、千尋は何をしているのかな、なんてぼんやり考えた。